MENU
まるか
筆者
20年以上フリーランスでグラフィックデザイナー兼ディレクターをやっています。
出版|広報|WEBディレクション
2023年8月開設。これから記事を増やしていきます!  ■■■ 届けフリーランスのクリエイターへ ■■■

デザイン見積もりのコツ|基準2タイプ

見積書イメージ

デザイナーがフリーランスになって直面することのひとつに『お見積り』があります。

あるデザイナー

デザイナーは料金表を作るべからず

とSNSやブログなどで 発信している人も多いです。
しかしあえて筆者は・・・

まるか

料金表をホームページで公表しています!

理由は、クライアントも最初に目安が知りたいだろうと思うから。

実際、筆者のホームページでは料金表のページの PVが一番多いです。
つまり デザイン料金を知りたがっている人がいるということ。

しかし当初、発注側が検索しているのだと思っていたのですが、
もしかしたら 見積書を提出するデザイナーが見ている可能性もあると気づきました。 

同業者の間でも、長年その話題でお喋りをしてきました。
その中で、算出方法は大きく2つの基準があると筆者は結論づけています。

見積もりは、企画ご提案の一部です。
しかし、数字については基準を定めておかなければならないと筆者は考えます。

でないと、見積もり依頼のたびに自分も頭を悩ませることになりますし。。。
数字くらいはさくっとご提示できるよう準備をしておきたい。

ですので、次のような人に読んでもらいたいと思っています。

  • 見積もり作業が辛い。
  • 相見積もりに自信がない。
  • 見積もりは駆け引き勝負だ。

この記事では、デザインの見積もりの基準を2つ紹介します。

読みたい記事にとべる目次

パターン1|料金表を作る

筆者の料金表は、ずばりアドメニューを参考にして作っています。

アドメニューはご存じでしょうか。
宣伝会議から出ている「広告制作料金基準表」のことです。

〔PR〕Amazon

2年に1回の発刊で、価格は1万円くらいします😱

ですが、適正価格を知るために1冊は持っていて間違いない本だと言えます。

筆者の制作物は、ジャンルが広めなのですが網羅されています。
新しいものはWEB関係が充実してます。

(最新版が同様かはわかりませんが)
会社の規模などにより、A・B・Cとランクが別れており、
筆者は得意分野かどうかによって、
BとCを組み合わせて独自に料金を定めました。

数年に1度は、料金の見直しをしています。

アドメニューは時代の適正価格を示してくれるので、
自信を持って見積書をご提示することができるでしょう!

パターン2|時給と作業時間を割り出す

同じものを作るにも、クライアントによって工程数が異なることがあります。
また、ラフ案をいくつご要望か、それによって制作期間もさまざま。

お打ち合わせで、その制作物を作るのに何時間かかるのかを算出します。
その時間に、自身の時給をかけるのです。

それでは算出方法を紹介します。

最低時給を計算する

技能を習得し、センスを磨き、経験値を積んだ対価ではなく、
最低いくらで受けられるのかから導き出します。

最低時給 × 必要な作業時間 = 見積もり額

このやり方はエディトリアルの先輩も採用していました。

頁ものでは長丁場になり途中変更も多い。
なので、変更分が何時間かですぐに計算できます。

自分が生活をするのに、いくらお金がかかるか把握していますか?
まずここを出しましょう。

家賃(ローン返済)、水道光熱費、保険料、食費、生活消耗品費、ガソリン代など。
家計簿をつけている人はそれを見るといいですね。

生活に最低限必要な支出は、年間いくらですか?

仮に500万円/年だとします。

次はそれを時給に変換します。
自分の営業日数と、1日の稼働時間で割っていきます。

年間営業日は何日ですか?

仮に250日だとします。
日給は20,000円になります。

1日は何時間働く予定ですか?

仮に8時間だとします。
時給は2,500円になります。

この時給は、生活するために最低限必要な金額を示します。
この時給を割るような案件ですと、生活が困窮するということになります。

作業時間を計算する

では次に、受注する案件を制作して納品するまでに必要な時間数を考えます。

会社で働いていた時に、何時間かかっていた作業か思い出してみてください。

何時間で何ができるか把握することは、作業のスケジューリングにも大変役立ちますので、
日頃から作業時間を考える習慣をつけておきましょう。

なぜ「期間」ではなく「時間」なのかというと正確性が増すから。

例えば1週間あっても進めたのは赤字修正5時間だけということもあります。
1日の予定時間を超えて作業するかもしれない。
やはり時間がわかりやすいです。

その制作にかかる作業時間は何時間ですか?

仮にここでは160時間だったとしましょう。

見積もり金額を出す

時給が出て、作業時間がわかれば、掛け算するだけ。

 時給 2,500円 × 作業時間 160時間 = 見積もり金額 400,000円

つまりその案件は最低でも400,000円以上でお見積りしなくてはいけないということです。

オプション

ベースUPに関わるオプションを2つ紹介します。

出張費

作業時間を計算する時には、制作にかかる時間を考えましたが、
現地へ行って取材をするなどの、拘束される時間は別途で考えます。

例えば、基準の1.25倍、1.5倍など。

特急料金

イレギュラーに無茶なスケジュールで進めなければならないときがあります。

クライアントがお急ぎのご要望に、可能な限り応えたい!

でも負担がのしかかります。

  • 休日・深夜労働になる
  • 人に手伝ってもらわなければならない
  • 他の案件の進行を組み直さなくてはいけない

このような場合に対応できるよう、特急料金として交渉できるようにしておきましょう。

やはりここでも、基準の1.25倍、1.5倍などがよいかと思います。

値下げと値上げのコツ

値下げ

もしどこかのデザイナーが、案件を受注したいがために適正価格から大きく離れた安い金額を提示したとします。
そういったことで結果的に、デザイン業界全体の値崩れが起きてしまうので、やめてほしいです。

その案件を安く受ける『理由』を必ずつけるようにしましょう。

例えば、次のようなものがあります。

  • 御社との最初のお取引でしたので
  • 御社の担当者に校正をお願いしたから
  • ○○○でお手数をおかけしてしまったので

「今回だけである」ということを認識していただきましょう。

先方に予算のご事情があるにもかかわらず、お知らせされないケースもあります。

最初のお打ち合わせ時に「ご予算のご都合はありますか」とお聞きするのをマストとしましょう。
予算に合わせて、別のご提案ができればいいわけです。

値上げ

もし納品した案件が、考えていたよりも難易度が高かったなどのケースでは、その事実をお伝えしておきましょう。(制作途中に発生した加算分は納品前に交渉します)

自分の見積もりが甘かったとも言えますが、納品時などにしっかりお伝えしておくことで、
次に同じような案件をご発注いただいた時に、値上げの交渉が可能になります。

また、紙代や印刷の値上がりがあったならその旨をお伝えしてご理解いただけるようにしましょう。

クライアントも「理由」があれば、社内でプレゼンしやすく(稟議をまわしやすく)なります。

値上げ交渉をしにくいという人のなかには

切られたら困る

と思うことがあるようです。

しかし、もし正当な理由があるにもかかわらず難色を示されることがあるなら、そのクライアントとお付き合いしていくことのほうが、長い目で見て「困る」ことになるのではないでしょうか。

お互いお仕事ですから、お互いにより良いサービスをより良い料金で提供し合う関係が望ましいはずです。

まとめ

筆者も、今でこそ通常業務のひとつとして流していますが、開業当初は見積書の提示が一大イベントでした。

かけだしでこの金額が通るだろうかと心配しましたが、自分のお仕事は会社時代と同じかそれ以上のクオリティです。

自分の基準でご提示をして、クライアントと一緒にプランを練っていきましょう。

この記事では、見積もりのコツを2パターン紹介しました。

  • アドメニューを参考にする
  • 最低時給と作業時間を計算する

あと、値下げや値上げには「理由」をご説明することも忘れないでくださいね。

ほかにあなたの基準作りの方法がありましたら、コメントに投稿いただけますと嬉しいです。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
読みたい記事にとべる目次