「公表できる実績も少ないしな…」
「作品を発信したいと思ってるけどそのまま…」
「SNSがあればホームページはいらないかなぁ…」
このようにモヤモヤしていたら、
すぐさま!ホームページをつくってください〜
デザイナーならポートフォリオは必須です。
デザイナーのポートフォリオで、つくるべき優先順位の高いものに
ホームページ(WEBサイト)があがります。
主流であった紙のポートフォリオファイルは対面でこそ有効ですが、
誰もが目にできるものでもありません。
その点、ホームページなら誰もがネットで確認できます!
自身は何者なのか、どんな仕事をしているのかを
知ってもらうチャンスが格段に増えるのです。
記事が流れていくSNSとは別に
ホームベースとなるサイトを持ってください。
フリーランスのデザイナーが用意すべき
広報ツールの筆頭は名刺とホームページです!
最低限この二つがあれば営業活動ができる、
逆に言えばこの二つがないと話にならないでしょう。
この記事を読めば、
ホームページを持っていない人もリニューアルをしたい人も
営業効率を上げるための
サイトコンテンツをつくられるようになりますよ。
1点ご注意。
WEBデザイナーさんには該当しない内容になるかと思います。
なぜならWEBデザイナーさん場合、
ホームページ自体が作品サンプルとなりえるからです。
ですので、この記事のホームページの作りかたが有効なのは、
主に次のようなクリエイターとなります。
- グラフィックデザイナー
- エディトリアルデザイナー
- イラストレーター
フリーランスにホームページが必要な理由
ひとはあなたのことを知りません
- あなたが誰なのか
- 何ができるひとなのか
- どんな作品をつくってきたのか
誠実に自己紹介ができる場が必要です。
SNSを充実させているひともいるかと思います。
とはいえSNSの記事は流れていきます。
いつでも招ける自宅(ホームページ)を持っておくのは、
フリーランスの仕事上、不可欠なのです。
思いのほか、取引前のお客様に
チェックされているようです…
自分自身をブランディングする気持ちで
ホームページを持つといいです。
でも、こだわりすぎて
ずっと公開できないなんてことになりませんように。
著者の知人のひとりは、かれこれ7〜8年
「ホームページをつくんなきゃ」
と言い続けています。
どれだけの機会損失をしていることか。
自己紹介ページができたら公開していいです!
ホームページに最低限必要なコンテンツはこれだけ
ホームページからの初受注をあてにしているフリーランスデザイナーは
そんなにいらっしゃらないのではないでしょうか。
では、あなたのホームページの目的は何でしょうか。
たとえば著者の事務所のホームページでは・・・
取引前、きちんと真面目に仕事をしています!という証明のため
つまり名刺代わりの役割が大きいです。
具体的には、次の内容で構成しています。
- 自分と事務所のプロフィール
- 営業案内
- 実績(作品紹介)
- おしらせ
- お問い合わせフォーム
実は作品ページで、著者自身が
過去の仕事を確認するという用途もありますが…
「お知らせ」では休業日をご案内したり。
目的を考えるとホームページの役割が明確になり、
必要なコンテンツが見えてきます。
必要な役割
デザイナーやイラストレーターにおけるホームページの役割は次の通りです。
- 名刺代わり :自分が何者なのか、何が得意か強みなどを紹介する
- 営業案内 :なにを受注できるのかのメニューを営業種目で明記する
- ポートフォリオ:WEBギャラリーなどで作品をできるだけ多く紹介する
- 連絡ツール :フォームの設置しコンタクトをとりやすくする
それぞれの役割に対し、どのようなページが必要かを解説していきます。
名刺代わりの「プロフィールページ」
自己紹介をしましょう。
自分が知ってもらいたい!と思うものだけで大丈夫です。
名前、肩書き、顔写真
現住所地、出身地、出身校、経歴、受賞歴、資格、免許
趣味、得意なこと、近況 などなど
面識がない人にとっては、顔写真があることで安心感を得ることができます。
顔出ししてないイラストレータさんは、自身の似顔絵があるといいです。
事務的な内容以外に、趣味や近況などを載せると人間味が出て、フリーランスには有効です。
人となりが伝わると、コンタクトを取ってみようという気にさせることができます。
メニューのような「営業種目ページ」
グラフィックデザイナーでも幅は広いですよね。
自分はなにを受注できるデザイナーなのかアピールしましょう。
例えば筆者の場合、広告でもイメージ戦略的なものは得意としません。
広告なら、商品の良さを「具体的に」伝えるものをご提案します。
DMやチラシは単品で取り扱っておらず、冊子、書籍をメインとしています。
このように、自分の経歴から得意なこと、
またはやっていきたい方向のものを営業メニューとするのが良いでしょう。
そのことにより、デザイナーの制作物とお客様の要求が離れずにすみます。
ポートフォリオとしての「作品紹介ページ」
どんな作品をつくってきたのか、
作品をギャラリー(一覧)にして
ポートフォリオとして作り込みましょう。
著者としては、動きのある機能を使ってカッコよく紹介されるよりは、
ザーッとスクロールして確認できるほうがありがたいです。
できるだけ多くサンプルを見せることで
「この作品のような方向で!」といった風に、
お客様と制作イメージを共有する材料にもなります。
作品が多く掲載されていれば、特定の作品でイメージがわくこともあり、
このクリエイターさんはどうかな?
とプレゼンテーションにもちこんでもらうことができるかもしれません。
掲載には、作品の著作権を考慮するのを忘れずに!
発注元の許可を得ておくのがよいです。
連絡手段の「コンタクトフォーム」
ホームページには連絡手段としての機能を必ず設置してください。
メールアドレスや電話番号を掲載するのもありですが、
個人情報保護をさらけださずに連絡を受ける手段が
コンタクトフォームの設置です。
お仕事を打診してみようと思っていただいたときも、
そのままフォームからコンタクトいただくことができ、
ユーザーもストレスフリーです。
一般的には「お問い合わせフォーム」などとしており、
ホームページ上から用件や返信先アドレスを入力してもらい、
設定した自身のメールアドレスに着信するというもの。
ポイントは、余計な入力を促さないこと!
- 名前(なんならニックネームでも可)
- 返信先メールアドレス
- 用件
この3つがあればOKです。
お名前やメールアドレスを入力してもらうには、
プライバシーポリシーのページを設置することも必要となります。
フォーマットがネット上に公開されているので、
自身に合うようリライトして、テキストページを作りましょう。
余裕があれば足すページ
最低限必要と思われるコンテンツを紹介しましたが、
ほかにも追々あるとよいものを例に出します。
制作の流れ
お客様の担当者が、メディアや制作物に詳しくないこともあるでしょう。
その場合は「制作の流れ」を示しておくと、安心感を与えられます。
また進行に対し、心づもりがあれば、
発注前に準備をしてくださるケースもあります。
実際の進行はケースバイケースでも、簡単な流れを掲載し
お客様の不安要素を排除してさしあげましょう。
料金表
デザイナーや制作会社の中で、料金表の掲載について
賛否両論あるのは承知しています。
筆者は、掲載する派です。
理由は、料金基準の表示が、お客さまに対し親切だと思うから。
予算組みをされる際に、基準料金を確認できると助かりませんか?
筆者なら、表から価格が
わからないお店には入りにくいです。
もうひとつは牽制。
どういうことかというと「見当違いな予算で声をかけないでね」ということ。
見積もりをしたあとに揉めたくないですし、
見積書をつくる時間も奪われたくないですから。
ブログ
長期間動きのないサイトは、
検索エンジンの点からもよろしくありません。
自分の名前(屋号、事務所名)で検索したのに
他のサイトが上位表示されるといった事態になる可能性も。
作品実績を更新できていればよいですが、
大きなプロジェクトを扱うデザイナーは、
さほど頻繁には更新できないということもあるかと思います。
そのため、ブログ機能で「おしらせ」などのメニューを設置し、
近況、休業日の通知、展示の案内などを掲載するとよいです。
ブログで、デザイナーの考えや人となりが伝わり、
お客様とのコミュニケーションも取りやすくなる利点も見込めます。
注意点としては、クリエイティブな内容に絞ること!
まちがってもプライベートな食事などを載せないでくださいね。
ホームページを見てもらうには
名刺からの流入
ホームページが完成したら、名刺にURLを載せましょう。
QRコードを印刷しておくのもいいです。
名刺交換ののち気軽にアクセスしてもらえます。
筆者も名刺の裏側にQRコードをつけました。
その場で読み取って話題にしてくださったりするお客様もいらっしゃいますよ。
メールの署名からの流入
メールの署名にホームページのURLリンクを入れておきましょう。
ネット環境で開くメールにリンクがあれば、簡単にアクセスしてもらえますね。
SNSからの流入
SNSでお仕事の様子を更新している人は、
プロフィール欄にURLリンクを載せておきましょう。
InstagramやX(旧Twitter)は記事が流れていくので、
ホームベースとなるホームページを案内しておくのが親切です。
一覧で見られるFacebookでも、相互リンクを貼っておくのが有効です。
検索サイトからの流入
SEO対策は必要かという問いに対して、筆者はNOと答えます。
たとえば検索
「『デザイナー パンフレット 通販』とかで上位表示するのだ!」
「一見さんの顧客を獲得するのだ!」
という人であればSEO対策は必要になるでしょう。
しかしこのようなキーワードは大手が占めており、
フリーランスがそれに戦い挑む意味はないといえます。
なぜなら、無の状態から
「通販のパンフレットが作れるデザイナー」
をネットで探している企業って、ある程度の規模の企業を期待していませんか?
でなければ、コンペにだけ声がかかるなど、
フリーランスにとって質の低いお客様となることが考えられます。
そんなことに時間と労力を使うのはもったいないです。
ただ、個人名や屋号を含めるなら上位表示させるべきです。
というよりトップにくるべきものですが、
きちんとしたサイトづくりをしていれば、
Google先生もそれを認識してくれるようになります。
ホームページをつくる際には、
「自分の名前 事務所名 (+デザインなど)」
をキーワード設定しておきましょう。
ユーザー(見に来た人)が目的を果たせる構成にしよう
サイト内で迷子にさせない
メニューバーを設置し、ダイレクトに行きたいページへ誘導しましょう。
たとえば先述した項目をつくるなら次のようになります。
プロフィール
営業案内
作品例
パンフレット
書籍
お問い合わせ
プライバシーポリシー
そのメニューバーすら探してしまうものがたまにあります。
イメージ画像やムーブがページの大半を占めて、
メニューを探すのすら彷徨ってしまうサイトってないですか?
筆者はこれらを余計だと思っており、
ユーザーのネット環境も考慮してシンプルなつくりにしているほうが
親切に感じます。
その分、ポートフォリオ(作品ページ)に
多くの画像を載せてほしいと考えます。
画像が多いとやはり重たくなってしまいますので、
シンプルにしておくのは理にかなっています。
メニューバーを設置し、シンプルでわかりやすい構成に。
そのうえで、楽しさや真面目さなど個性を出していったらよいです。
情報の表示時間にストレスを感じさせない
表示までに時間がかかるサイトは、
開く前に離脱されるか、ストレスを溜めてしまうかのどちらか。
せっかく自分にアクセスしようとしてくださったお客様(または仲間など)に申し訳ないです。
表示時間が遅いようなら次のことが考えられます。
確認して改善しましょう。
- 画像のサイズが大きい
- 1ページのコンテンツ量が多すぎる
- サーバー自体の速度が遅い
さいごに
この記事では、
フリーランスのデザイナーやイラストレーターが、
ポートフォリオとして持つべきホームページの
コンテンツについて解説しました。
最低限必要な役割と構成について、
ディレクターである著者なりの意見も交えお伝えしました。
ディレクターやクライアントの目線からだけで
語るのもよろしくないとは思いますが、
機能しないホームページをわざわざつくる必要はないですよね。
ホームページのコンテンツは、あとから変更できるものです。
完璧にしてから後悔しようと思わず、
まずはつくって公開してしまいましょう!
コンテンツを追加しながら育てていくと愛着が湧きますし、
突如飽きて、リニューアルしたくなることもあるかもしれませんよ。
最後までおつきあいいただきありがとうございました。
次の記事は、何を使ってホームページをつくるかがテーマです!
「2【ツール編】」を読んでいただけますと幸いです。